‘不動産取得税’
Q.中古住宅を取得した場合には、不動産取得税は軽減されないのでしょうか?
A.取得した中古住宅が次の1より3までの条件全てに当てはまる場合には、住宅の価格(現実の購入代金や建築工事費ではなく、総務大臣が定める固定資産評価基準で評価し、決定した価格)より、一定額が控除されます。
1.個人が自身の居住用として取得した住宅であること
2.床面積が50㎡以上 240㎡以下であること(床面積要件の判定は新築住宅の場合と同様です。)
3.次のいずれかの条件に該当すること
・昭和57年1月1日以降に新築されたもの
・建築士等が行う耐震診断により新耐震基準に適合していることの証明がされたもの(ただし証明のための調査が住宅の取得日前2年以内に終了している必要があります。)
控除額は、取得した中古住宅の新築された日に応じた額となっています。
・昭和51年1月1日より昭和56年6月31日までに新築された住宅は350万円
・昭和56年7月1日より昭和60年6月30日までに新築された住宅は420万円
・昭和60年7月1日より平成元年3月31日までに新築された住宅は450万円
・平成元年4月1日より平成9年3月31日までに新築された住宅は1,000万円
・平成9年4月1日以降に新築された住宅は1,200万円
なお、取得した中古住宅が上記3の条件に当てはまらない場合であっても、一定の条件に当てはまるときには、別途不動産取得税の軽減措置を受けることができます。
Q.取得した不動産の価格が一定額に満たない場合は、不動産取得税が課されないのでしょうか?
A.取得した不動産の価格(課税標準額)が次の額を下回る場合には、原則として不動産取得税は課されないことになっています。
・土地を取得したときは10万円
・家屋を売買、贈与、交換等により取得したときは1戸につき12万円
・家屋を新築、増築、改築により取得したときは1戸につき23万円
Q.新築住宅を取得した場合、不動産取得税が軽減されるのでしょうか?
A.床面積が50㎡以上240㎡以下である新築住宅を取得した場合には、一戸につき1,200万円(平成21年6月4日より平成28年3月31日までに取得された認定長期優良住宅は1,300万円)が、新築住宅の価格(現実の購入代金や建築工事費ではなく、総務大臣が定める固定資産評価基準で評価し、決定した価格)より控除されます。
なお、その控除後の額がマイナスとなるのであれば、その住宅につき不動産取得税は課されません。
上記の「床面積」は、現況の床面積により判定することから登記床面積と違うことあります。また、マンション等の区分所有住宅やアパート等の構造上独立した区画を有する住宅については、独立した区画ごとに床面積要件を判定することになっていて、また、その住宅が貸家であれば床面積要件の下限が50㎡ではなく40㎡となっています。
Q.不動産取得税というのはどのような税金なのかを教えてください。
A.不動産取得税というのは、不動産を売買、贈与、交換、建築等により取得したときに1回のみ課される税金です。この「取得」というのは所有権の取得のことであり、登記の有無や、有償か無償かは問いません。
私は自宅売却を考慮しているのですが、敷地は平成18年1月に父親からの相続で取得したもので、家屋については同年10月に自己資金を用いて建てたものです。 このような場合、譲渡所得の計算の上では、取得費はいくらになるのでしょうか。また、敷地の所有期間を計算する時には、いつが取得日に当たるのですか。
敷地の取得費は、原則として、被相続人に当たる父親がその敷地を取得した際の購入代金や取得に必要とした金額に、改良費・設備費を追加して得られる合計額となります。なお、家屋の取得費は、建築代金など諸々の合計金額から償却相当額を差し引いた金額となります。
また、敷地の所有期間を算出する場合には、相続によって敷地を取得した平成18年1月からではなく、被相続人である父親が敷地を取得した日から算出することになります。
【解説】
1、取得費の概要
資産の取得費とは、購入代金や建築代金、改良費、設備費、改良費などの費用のほかに、取得費に含まれる主要なものは、以下の通りです。ただし、不動産所得や事業所得などの必要経費に算入された金額は、資産の取得費には含まれません。
・土地、建物の購入(贈与や相続または遺贈による取得も含めます)をしたときに納めた登録免許税(登録費用も含めます)、特別土地保有税、不動産取得税、印紙税
・借主が存在する土地、建物を購入する際に、借主に対して支払った立ち退かせるための立退料
・土地の埋め立て、土盛りや地ならしをするために支払いをした造成費用
・土地の測量費
・所有権やその他確保するために必要とした訴訟費用(相続財産に当たる土地を遺産分割するために必要とした訴訟費用は除外します)
・購入当初から土地の利用が目的であったとされる場合の建物購入代金や取り壊しにかかる費用
・土地、建物を購入する際に借り入れた資金の利子の中で、その土地、建物を実際に利用開始する日までの期間に対応する部分の利子
・既に締結している土地などの購入の契約を解除して、ほかの物件の取得に変更した場合に支払うことになる違約金
また、資産の取得費が明確でない場合や、実際の取得費が譲渡価格の5%を満たさないときには、収入金額の5%を取得費にする事が可能です。
2、家屋の取得費
自宅として利用していた家屋を売却する際の取得費は、以下のように算出します。
建物の取得価格-償却費相当額=建物の取得費
また、償却費相当額は、以下のように計算します。
建物の取得価格×0.9×償却率*×経過年数=償却費相当額
*同種の減価償却資産の耐用年数×1,5で償却率を定めます。
3、敷地の所有期間
所有期間とは、土地、建物を取得した日からその後所有し続けていた期間を指していいます。この場合には、相続、贈与により取得したものについては、原則として、被相続人や贈与者が取得された日を基に算出することになります。