贈与に起因している所有権移転の時期はいつになるのでしょうか?説明してください。
<解答>
不動産の贈与については登記があった場合に、成立することになりますので、2003年に贈与税が課税されることになるようです。
<解説>
(1) 贈与に起因する財産の取得時期
民法におきまして、贈与は、当事者の一方(贈与者)が自身の財産を無償で与える意思表示をして、相手方(受贈者)が受諾することによって成立するとされております(民法549条)。しかし、書面によらない贈与については、当事者間でいつでも取り消すことが可能であるため、履行があった際には成立するとされております。
税務においても、これを受けて、書面によるものはその契約の効力の発生した場合に、書面によらないものにつきましては、その履行の際に成立するとされているようです(相続税基本通達1・1の2共―7)。
(2) 効力の発生したときとは
では、書面による贈与について、実際に効力が生じた場合というのは、いつになるのでしょうか?契約書に記載された日でよいのでしょうか?
契約書に記載された日に贈与が成立したと考えると、記載日より後に財産を取得した場合については、実態にそぐわない課税関係が発生してしまうことになるようです。
あくまで贈与税につきましては、財産の所有権の移転に応じまして課税されるものと考えられるため、契約書の内容を受けて、財産の所有権が移転された日に効力が生じたものと考えられるようです。不動産等の財産については、登記を行った日をもって、所有権の移転が存在したと考えられます(相続税基本通達1・1の2共―10)。そのため、10年前に公正証書によりまして、不動産の贈与を受けて、2011年に登記を行った場合においては、2011年に実際の贈与が存在したものとして、贈与税が課税されることになるでしょう。
この場合における贈与税の計算のもととなります価額については、2011年の相続税評価額となります。
(3)贈与税の時効
贈与税につきましては、申告書の提出期限の翌日から6年間になっており、時効によって消滅することになるようです。
例をあげれば、2005年12月15日に贈与を受けた場合において、2006年3月15日が申告書の提出期限となるため、2012年3月16日以降は、贈与税の納税義務はなくなることになります。しかし、不正行為が存在した場合においては、7年になってしまいますので、2013年3月16日以降については、贈与税の納税義務はなくなることになります。