従業員持株会を活用することに対してのメリットは存在していますか?

 

<解答>
オーナーが所有している株式を従業員持株会に譲渡することによって、以下のような効果が期待できると考えられています。
(1) オーナーの相続財産が減少することになり、相続税評価額が下がることになります。(配当還元価額によって移動が可能となります。)
(2) 従業員の福利厚生となるでしょう。

<解説>
(1) オーナーの相続財産の減少
従業員持株会制度とは、福利厚生を目的として、従業員が自社株を取得・保有している制度をいうことになります。非上場会社が、この制度を導入している大きな理由としまして、オーナーの相続対策が挙げられるでしょう。
オーナーが所有している株式については、原則的評価方式によって高く評価されることになり、相続税が高額になってしまう可能性が存在しています。そこで、従業員持株会を設立することになり、自社株を譲渡することになれば、オーナーの持株数については減少することになりますので、結果として相続財産も減少することとなるでしょう。なお、従業員持株会に対して自社株を譲渡する場合には、配当還元価額によって移動が可能であるために通常よりも低い価額での売却が可能であること、売却に伴って譲渡所得税の負担を低く抑えることが可能となります。
さらに、従業員については通常よりも低い価額で自社株を取得することが可能であるメリットが存在しています。

(2) 従業員の福利厚生
従業員持株会については、従業員のモチベーションを上げることができる効果が存在しています。従業員自身の頑張りによって、会社の業績が伸ばすことができれば、配当金という形で自分に見返りが存在しているためとなります。従業員持株会には、このような福利厚生としての一面が存在しているのです。
しかし、その反面に、株主が増えることによって会社の経営に支障をきたしてしまうおそれもあります。この対策としまして、オーナーが従業員持株会に対して株式を譲渡する場合においては、経営に影響がでてしまわないように、譲渡する株式を「配当優先・無議決権株式」などにするとよいと考えられます。

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